メガネの「ロウ付け修理」その破損、修理で直ります!破損事例や注意点を解説。
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最近ではファストファッションのようにメガネも低価格になり、飽きたり壊れたらすぐに買い替えるという価値観も広まってきました。
しかし、ブランドフレームや愛着があるこだわりのフレームほど直してでも長く使いたいものですね。
どんなに丁寧に扱っていても誤ってぶつけたり、踏んでしまったりすることは起こり得ます。また、長く使えば使うほど金属疲労による破損ということもあるでしょう。
この記事ではロウ付け修理で回復させることのできるメガネの破損事例と、注意点などを分かりやすく解説します。
![メガネ ロウ付け修理](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/65CCF229-8E2F-4F44-AC48-CFFBA71C5ED0-1024x683.png)
ロウ付け修理が可能な破損例
①クリングスアームのロウ離れ
金属の細いパーツであるため、破損率の高い箇所。金属疲労や強い衝撃があった際に破損してしまいます。
![メガネ ロウ付け修理](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/E59E8BBC-C58E-47D7-BD52-C2F86089805E-1024x683.png)
②ブリッジやリムのロウ離れ
掛け外しの負荷の蓄積や、ぶつけたり踏みつけてしまったりと、強い力が加わった際に破損してしまいます。
![メガネ ロウ付け修理](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/2C291C6A-025F-4FDC-848F-DA7D3D5BAB5F-1024x683.png)
![メガネ ロウ付け修理](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/358D6737-79D1-44CE-A3A9-ACB61CE8462A-1024x683.png)
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③丁番の車断裂
金属疲労や緑青(ろくしょう)による腐食で弱っている所に、テンプルを長年開閉してきた負荷の蓄積によって、丁番の「車」がちぎれるように破損します。(車=丁番にネジを通すテンプルの先のリング状の部分)
![メガネ ロウ付け](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/04/2B652638-E626-48D6-89E6-040E48353DEF-1024x683.png)
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④ナイロールのリム割れ
レンズを留めるリムに通っている溝が裂けるように折れてしまう破損。メガネ本体に捻れるような力が加わってしまった際に起こります。
![メガネ ロウ付け修理](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/789B43E1-3D76-46F1-A644-C900A68F90FE-1024x683.png)
⑤セルフレームの丁番破損
メタルフレーム同様、掛け外し時の負荷やぶつけたりした場合に起こります。
熱に弱いセルフレームの丁番破損も、実はロウ付け修理は可能。
![メガネ ロウ付け修理](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/55C95D87-0553-4837-8CD9-EB72271ED619-1024x683.png)
ロウ付けの種類と方法
①バーナーによる高温加熱によるロウ付け法
修理箇所に約1000℃の高熱をかけ、銀ロウを流して繋げます。
周りの塗装は焼けて剥がれ落ちます。その後、表面を研磨して再塗装します。
②レーザー溶接
レーザー光を照射して瞬間的に素材を融解、再凝固させて接合する方法。
それだけでは強度が弱いため「チクニロウ」を「差しロウ」して、より強固に補強します。
レーザーは素材表面を傷つけないため、外観や形状を損なうことのない修理方法。
ただし、素材や修理箇所によってレーザー溶接では強度が出ないと判断した場合、従来の高温加熱のロウ付けをお勧めすることもあります。
![メガネ レーザー溶接](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/47E10FEB-21A3-449E-804E-8127A73D237A-1024x765.jpeg)
ロウ付け修理の知っておきたい注意点
①強度が変わる
ロウ付けは破損箇所によって修理前と100%同等の強度に戻るという訳にはいきません。
また場合によっては強度を出すために、添え木のように補強パーツを付けることもあるので、見た目が若干変わるケースもあります。
②修理箇所周辺の印刷物が消える
ロウ付け時の高温により、表面の塗装は一層剥がれ落ちます。その後、再塗装するため元々あった文字等は無くなります。
ただしレーザー溶接の場合は修理箇所にピンポイントで照射されるため、文字等消えることはありません。
③セルフレームのロウ付け修理の場合、修理箇所の色目が変わる
ロウ付けには高熱が伴うため、該当箇所周辺のセル生地を取り除いてから作業。
ロウ付け後、そこへ似た色のセル生地を足すので、完全に同じ色目や模様が出なかったり、繋ぎ跡が残ることもあります。
④ロウ付け修理できないケースもあります
一旦お預かりしたメガネも、破損の箇所や大きさ、素材によってはメーカーの判断で修理不可になるケースもあります。その際は後日ご連絡致します。
ご自分で接着剤を使い簡易的にくっ付けて補修したメガネを修理に持ち込まれる方がいらっしゃいますが、これはやらない方が賢明です。
接着剤を取り除く余計な作業が発生したり、それが元で修理不可になる可能性があります。
また、レンズに付着してしまった接着剤は除去できないため、そのレンズは使用できません。
破損してしまった時の状態のままお持ち頂くか、簡易的にレンズを留めるのであればセロハンテープでレンズとリムを一時的に固定することをおすすめします。
![メガネ ロウ付け修理](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/EA23E154-43F7-47FA-ACD2-C85F77B59378-1024x683.png)
メガネお預かり→修理までの流れ
①お持ち頂いたフレームの破損箇所を確認しながらお預かり書を作成。
![メガネ ロウ付け修理](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/DF8E0C17-4F15-4094-B311-19D73FAB1997-1024x768.jpeg)
②メガネの世界3大産地「福井県 鯖江市」にある、提携するメガネ修理専門メーカーにフレームを送ります。
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③お預かり後、10日ほどで見積もり金額と納期のご連絡をします。修理進行か否かの判断を確認いたします。
④修理進行になれば、最高峰の職人による丁寧な修復作業が行われます。
⑤お預かりから1か月ほどでお客様のお手元へご納品。
以上の流れになります。
※修理内容によってはもう少しお時間を頂くケースもあります。
※お預かり時、おおよその修理金額の目安はお伝えいたしますが、あくまで目安でありメーカーから出た実際の見積もり金額との相違がある場合もございます。ご了承ください。
※修理金額にご納得いただけない場合はキャンセルできます。メーカーからメガネ返却後ご連絡いたします。
※お急ぎの場合はご相談ください。
ただし修理内容やメーカー都合によって、ご要望に添えない場合もあります。
※年末年始、ゴールデンウィーク等を挟む場合、上記に記した以上の日数を要します。
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まとめ
レーザー溶接などの機器の進化や、熟練の職人の技術によりロウ付けで様々な修復が可能であることがお分かり頂けたでしょうか?
愛着のあるメガネが破損しても諦めずに、まずは一度お気軽にご相談にお越しください。
![認定眼鏡作製士](https://1sd-megane.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/My-project-1-8-4-1024x724.jpg)