メガネレンズのコーティングはがれは何故起こる?原因と対策を解説
目次
メガネレンズにクリーニングをしても落ちないまだら模様のシミが出てきた。指で触るとザラザラとした感触があり、拭いても綺麗にならないといった経験をされたことはないでしょうか?
それは汚れではなく、レンズのコーティングはがれが原因です。
視界だけでなく、見た目も悪くなるコーティングはがれが起こる原因を解説します。
メガネレンズのコーティングとは?
現在メガネレンズの主流はプラスチック素材です。軽くて丈夫で使い勝手も良い理想の素材ですが、そのままでは傷が付きやすいという欠点があります。
その弱点を補うために様々なコーティングが施されています。
基本のコーティング種類
- ハードコート
傷を付きにくくするコート。通常の使用状況下において小傷から守ってくれます。しかし鋭利な物や硬い物が強く当たれば防げない場合もあります。 - マルチコート
光の反射を抑えるコート。光の透過率を上げる性質があるため、チラつきがなくなり視界が良くなります。
また、光の写り込みが抑えられるので、写真を撮った際のレンズの白い反射を気にしなくても良くなります。 - 撥水コート
水を弾いて汚れも付きにくくするコート。指紋や油汚れの付着を抑えてくれます。また、後述する水やけにも効果のあるコーティングです。 - UV(紫外線)カットコート
その名の通り紫外線を防ぐコート。最近ではレンズの表面だけでなく裏面にもUVカットコートが施されたレンズも登場しています。
以上が基本のコーティングとしてほとんどのメガネレンズに搭載されています。
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コーティングはがれの主な原因
①傷
ぶつけたり、落としたりといった使用上の不注意から付いてしまった小傷や、細かいチリやホコリを巻き込んだままレンズを拭いてしまい付いてしまった傷がだんだんと広がりコーティングがはがれてしまいます。
②熱が原因のクラック
お湯で洗ってしまった、炎天下の車中にメガネを放置してしまったなど、高温にさらされたプラスチックレンズは膨張します。その膨張にコーティングが追従できずクラックと言われるヒビ割れが起こります。
③水やけ
レンズに付いた水滴が乾燥してシミになった物が水やけです。水滴に含まれる汚れの成分が原因。
雨に濡れた後やクリーニングをした後は水分を残さないようにしっかり拭き取りましょう。
④化学反応
レンズ表面に付着した化粧品、整髪料、酸性 アルカリ性洗剤が化学反応を起こしコートを傷める原因となります。
水やけ同様しっかり拭き取ることで回避できます。
コーティングはがれの修復はできる?
一度はがれてしまったコートを修復したり、再度コーティングを施すことは残念ながら不可能です。
メガネの使用環境、使用頻度により個人差はありますが、一般的にメガネレンズ(コーティング)の寿命は3〜4年です。
雑に扱ったり、適切なお手入れを怠った場合にはもっと早く寿命がきてしまいます。
修復ができない以上、コートはがれが気になり出したらレンズ交換の頃合いです。
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無意識のうちにやってしまうレンズに傷やクラックが入ってしまう要因と対処法
- 乾拭き
ティッシュ、ハンカチ、服などで汚れを拭くのはNG
→専用クリーナーや洗剤を使い丁寧にクリーニングしてください - バッグ、ポケットなどに直に無造作に入れてしまう
→メガネケースに入れる - メガネを下に向けて置いてしまい、机にレンズが当たっている
→必ず上向きで置くように心掛けましょう - 炎天下の車の中に置きっぱなしにする、サウナに入る、お湯で洗う
→プラスチックレンズに高温は大敵です!サウナには持ち込まず、水洗いするようにしてください
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まとめ
メガネレンズはデリケートな素材ですが、コーティングはがれの起こる原因が分かれば、日頃のメガネの取扱いに少し気を付けることでレンズの寿命を伸ばすことができます。
実際にレンズが傷んでしまっても、フレームに不具合がなければレンズ交換をすることでそのメガネはまだまだ使用できます。
レンズ表面のコーティングはがれが気になり出したメガネをお持ちの方は、視力測定も兼ねてお気軽に相談にお越しください。